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先に結論を書きます。独立した税理士の先生が集客で最初に決めることは、「紹介以外の入口を1つ持つかどうか」だと私は考えています。手法選びはその後です。
なぜそう考えるのか。この記事では、税理士業界の調査データと、私自身がWEB広告に53万円使って問い合わせゼロだった実測を並べて、順番に書いていきます。筆者は中小企業診断士です。同じ士業として共通する部分があると思います。うまくいった話だけでなく、失敗した数字もそのまま出します。
「税理士が食えない」の理由を並べてみると、ほとんどが集客の話でした
「税理士 独立」で検索すると、「食えない」という言葉がセットで出てきます。実際に上位の記事を開いて、挙げられている理由を並べてみました。
- クラウド会計・AIの普及で記帳代行の単価が下がった
- 競争激化による顧問料の値下げ
- 独立時の営業力・人脈の不足
- 他事務所との差別化ができていない
お気づきでしょうか。税理士の専門能力の話がほとんど出てきません。並んでいるのは、単価・競争・営業・差別化——つまり集客と経営の話です。

ひとつ正直に書いておくと、こうした記事の上位には転職エージェントが運営するものが複数あります。「食えないなら勤務税理士に」という着地に向かう構造なので、独立を続けたまま集客をどうするか、という具体策はあまり書かれていません。この記事は、そこを書くつもりで作っています。
新規の71.9%は「顧問先からの紹介」——ただし6年前の調査です
TKCグループが税理士・会計士526人に行ったアンケートでは、新規顧客の開拓方法として最も多いのは「顧問先からの紹介」で71.9%でした(出典:TKCグループ「新規顧客の拡大や集客方法」。調査期間は2020年11月。約6年前の調査である点は割り引いてお読みください)。
紹介が最良のチャネルであることは、私も否定しません。成約率が高く、費用もかかりません。
ただ、私はこの数字を少し違う角度からも見ています。紹介が7割を超えているのは、紹介「しか」機能していない事務所が多いからではないか、という見方です。紹介は自分でコントロールできません。顧問先が紹介してくれるかどうかは、こちらの努力と直接は連動しないからです。
実は、私の会社も1期目の流入は紹介・既存人脈が100%でした。だからこそ、紹介以外の入口を作る実験を自分の会社でやってきました。その実測を次から書きます。
実測①:WEB広告に53万円使って、問い合わせはゼロでした
当社はGoogle広告に約半年(2026年2月〜7月)で53万円を使いました。結果は、表示244,858回・クリック3,091回・問い合わせ0件です。

クリックは3,000回以上あるのに、問い合わせがゼロ。原因を調べていくと、運用の巧拙ではありませんでした。検索の設定を厳密にした(完全一致とフレーズ一致だけにした)途端、表示回数が月2〜4回まで落ちたのです。つまり、私が狙った「東北×WEBマーケティング」という市場には、そもそも広告を回せるだけの検索の母数がなかった、というのが現時点での結論です。
先生方に当てはめると、こうなります。広告を出す前に、「自分の地域×自分の分野」が実際に何回検索されているかを確認してください。Googleのキーワードプランナーで無料で調べられます。母数がない市場に広告費を入れると、私と同じ結果になります。無料でできる調べ方は無料でホームページを診断する方法5選にまとめています。
逆に、母数が確認できるなら、広告は即効性のある選択肢です。この点はブログやSEOにはない利点なので、両面を書いておきます。
実測②:ホームページが検索1位を取るまで、約9.5ヶ月かかりました
当社は自社サイトで、狙ったキーワードで1位を取れている固定ページの数を定点観測しています。公開から約1ヶ月の時点で4ページ、約9.5ヶ月後に13ページでした。

この数字はサービス紹介などの固定ページに限ったものですが、傾向としてお伝えしたいのは一点です。正しく設計しても、検索で評価されるには時間という要素が要ります。体感として6ヶ月〜1年は見てください。広告のような即効性はありません。
ただし、逆のことも言えます。広告は止めた瞬間にゼロに戻りますが、検索順位は積み上がります。4ページが13ページになったのは、途中でやり方を変えたからではなく、同じ方針で待ったからです。
実測③:ブログは上位を狙えます
「ホームページはもう飽和していて、後発では無理なのでは」と思われるかもしれません。私の実測では、そうではありませんでした。
- 当社は「TikTok運用代行 宮城」「MEO対策 宮城」という語で検索2〜3位を取れています。ChatGPTにこの分野を尋ねると、当社の名前が回答に出ることも確認しました
- この2語は、キーワードプランナー上は月10回以下しか検索されていません。それでも、この2語から年3件の問い合わせが来ました
月10回の語でも問い合わせは来ます。発注を考えて検索する人は、数は少なくても本気だからです。検索回数の大小より、「依頼したい人が打つ語か」のほうがずっと重要だと私は考えています。
税理士は、ブログのネタに困らない仕事です
WEB集客の相談を受けていて、多くの事業者が最初に止まるのは「何を書けばいいか分からない」です。その点、税理士の先生方は業務の幅がそのまま記事の幅になります。
相続税、記帳代行、決算書の読み方、インボイス、年末調整、役員報酬、事業承継、税務調査——どれも、依頼を考えている人が実際に検索する言葉です。日々の業務で受けた質問を1本ずつ記事にするだけで、ネタは尽きないはずです。
語には、必ず地域名を入れてください
ここがいちばん大事なポイントです。「相続税」という語で上位を取るのは、大手メディアや大規模税理士法人と正面から戦うことになり、現実的ではありません。しかし「相続税 ○○市」なら、戦う相手が一気に減ります。
当社が2〜3位を取れているのも、「×宮城」を付けた語です。地方では、地域名まで付けた語で本気のSEOをしている事務所はまだ少数です。小さな語×地域名を1語ずつ取っていくのが、開業直後でも狙える現実的な戦い方だと考えています。SEOの進め方は士業のSEO対策で、当社が実際にやった手順を実演しています。
ひとつだけ注意があります。地域名だけを差し替えた同じ内容のページを量産すると、Googleからの評価をかえって落とすことがあります。地域ごとのページを作るなら、その地域固有の内容を必ず入れてください。
そもそも税理士は営業していいのか
「税理士 営業禁止」という検索が今もされています。結論から言うと、士業の広告は2001年に原則自由化されています。ブログもホームページも広告も出せます。
ただし、税理士会が広告に関する規程を持っています。誇大な表現や、事実と異なる実績表示は当然できません。出す前に所属会の規程をご確認ください。職種ごとの広告ルールの違いは士業のホームページ制作にまとめています。
お金も時間もない独立直後に、私ならこうします
最後に、開業直後で予算がない前提で、私が優先順位を付けるならこの順です。
- Googleビジネスプロフィール(無料)に登録し、事務所情報と分野を書き切る。「○○市 税理士」の地図枠に出るための最低条件です
- ホームページに、分野×地域の語で記事を月1本積む。即効性はありませんが、止まらなければ資産になります
- 広告は、キーワードプランナーで母数を確認してから。母数があれば即効性の面で有力、なければ私の53万円と同じ道です
正直に書くと、2の効果が出るまで半年〜1年かかります。その間の新規は紹介に頼ることになると思います。だからこそ、紹介が回っているうちに、紹介以外の入口を仕込み始めるのが良いと私は考えています。
まとめ
- 「食えない」の理由として挙がるのは、ほとんどが集客と経営の話です
- 新規の71.9%は紹介という調査(2020年)がありますが、紹介は自分でコントロールできません
- 当社の実測では、広告は市場の母数がないと53万円でも問い合わせゼロ。ホームページは1位まで約9.5ヶ月
- ブログは上位を狙えます。税理士はネタに困らない仕事で、語に地域名を入れれば月10回の語でも問い合わせは来ます
- 士業の広告は2001年に自由化済み。所属会の規程だけ確認を
当社は自社サイトで試した実測を、失敗も含めてこのブログに書いています。ホームページ制作やSEOのご相談は、お問い合わせからどうぞ。
メール講座「WEBを売上に変える3通」(無料)
3通で終わります。売り込みはしません。中小企業診断士が、東北で実際に試したことだけを書きます。
- 1通目:東北で100社近くのホームページを見て、気づいたこと
- 2通目:広告に53万円使って、問い合わせは0件でした
- 3通目:順位は目的ではありません
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