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クリニックのMEO対策|口コミに頼らず、マップ上位を8ヶ月維持した実測

クリニックの待合室

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導入

クリニックのMEO対策を調べていて、「まずは口コミを集めましょう」という記事にたどり着いた院長先生に向けて書いています。

先に結論を3つ申し上げます。

ひとつめ。医療機関が患者さんに口コミの投稿を依頼すると、有償・無償を問わず「誘引性」が生じます。そのとき、その口コミは医療広告の規制を受ける「体験談」になります。これは厚生労働省のQ&Aに書かれていることです。

ふたつめ。それでも、口コミの数に頼らずにマップの上位に入ることはできます。当社は口コミを増やす働きかけを一度もしていませんが、「SEO コンサルティング」という語で太白区1位を8ヶ月維持しています。この記事では、その実測をそのまま出します。

みっつめ。ただし、見られる回数が増えても、行動が増えるとは限りません。当社は8ヶ月で閲覧が6割増えましたが、行動してくれた割合は半分になりました。この数字も隠さずに出します。

なお、当社は医療機関ではありません。ここに書くのは、自社で8ヶ月運用した実測と、公的資料を読んで整理した内容です。個別の判断については、最終的に所管の保健所・都道府県にご確認ください。

結論|口コミの数が、すべてではありません

MEO(Googleマップ上での見え方を整えること)の解説を読むと、多くが「口コミを増やしましょう」「口コミに返信しましょう」から始まります。

飲食店や美容室であれば、それでよいと思います。ただ、クリニックには、他の業種にはない制約があります。口コミを集める行為そのものが、医療広告の規制に触れる可能性があるためです。

では、口コミを集められないクリニックは、マップで勝てないのでしょうか。

当社の実測では、そうではありませんでした。当社のGoogleビジネスプロフィールは、患者さんにあたる方へ口コミを依頼したことが一度もありません。それでも、次の順位が付いています。

検索した語対象の広さGoogleマップでの順位
SEO コンサルティング太白区1位
SEO コンサルティング仙台市2位
SEO コンサルティング宮城県4位
※ 当社が計測ツールで取得した自社の実測値です。順位は日々変動し、検索する方の位置情報によっても変わります。

この記事では、口コミに頼らずに何をしているのかを、5つの作業に分けて書きます。あわせて、うまくいかなかった数字も出します。

なぜクリニックに「口コミを集めましょう」が効かないのか

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。一般的なMEOの解説と、クリニックの実務が食い違うところだからです。

禁じられているのは「治療等の内容又は効果に関する体験談」です

2018年6月1日に施行された改正医療法により、ウェブサイトも医療広告の規制対象になりました。それ以前は、ホームページは「広告」に当たらないとされていました。ここで前提が大きく変わっています。

禁止されている広告は8つに整理されています。

  • 虚偽広告
  • 比較優良広告
  • 誇大広告
  • 公序良俗に反する広告
  • 広告可能事項以外の広告
  • 治療内容や効果に関する体験談
  • 誤認を与えるおそれのある術前術後の写真
  • 品位を損ねる広告

6つめの「体験談」が、口コミに直接かかわります。厚生労働省のQ&Aには、こう書かれています。

患者等の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談は、今回新たに規定された広告禁止事項です。特に、当該医療機関にとって便益を与えるような感想等を取捨選択し掲載するなどして強調することは、虚偽・誇大に当たるため、広告できません。

厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」A2-9

医療機関が投稿を依頼した時点で、「誘引性」が生じます

ここが実務でいちばん重要なところだと思っています。同じQ&Aの別の設問に、こうあります。

特定の医療機関の体験談に誘引性がある場合には、広告規制の対象となり、治療等の内容又は効果に関する体験談を掲載することはできません。例えば、医療機関が患者やその家族に(有償・無償を問わず)肯定的な体験談の投稿を依頼した場合は、当該体験談には誘引性が生じます。

厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」A1-18

「有償・無償を問わず」と書かれている点に、注意が要ると思います。

謝礼を渡していなくても、割引をしていなくても、「よろしければ口コミを書いてください」とお願いした時点で、誘引性が生じるという書き方です。会計時のひとこと、待合室の掲示、診察券に添えたQRコード。よかれと思ってやっていることが、ここに当たる可能性があります。

患者さんが自発的に書いた口コミは、対象外です

一方で、こうも書かれています。

医療機関の検索が可能なウェブサイトに掲載された体験談が、医療機関からの影響を受けずに患者やその家族が行う推薦に留まる限りは、誘引性は生じません。

厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」A1-18

SNSや第三者が運営する口コミサイトについても、同じ考え方が示されています。

個人が運営するウェブサイト、SNSの個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しません。

厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」A2-11

整理すると、分かれ目は「口コミが付いているかどうか」ではなく、「医療機関が働きかけたかどうか」だと読めます。勝手に書かれた口コミは問題にならない。こちらから頼むと問題になる。そういう構造です。

「口コミが規制の対象になるかどうかの分かれ目を示した図。医療機関が働きかけた場合は誘引性が生じて広告規制の対象、患者が自発的に書いた場合は対象外」

だからこそ、クリニックのMEOは「口コミを増やす」以外のところで差をつける必要があります。

迷ったときの確認先

ここに書いたのは、公表されている資料をこちらで読んで整理したものです。個別の表現が規制に当たるかどうかの最終的な判断は、所管の保健所または都道府県の医療広告担当にご確認ください。当社は弁護士でも行政でもありませんので、そこは正直に申し上げておきます。

原典はこちらです。厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」医療広告ガイドラインに関するQ&A(PDF)

マップの順位は、何で決まるのか

Googleが挙げているのは3つです

Googleは、ローカル検索の順位について「関連性」「距離」「視認性の高さ」の3つを挙げています。

  • 関連性…検索された語と、その施設がどれくらい合っているか
  • 距離…検索した人の位置、または検索語に含まれる地名からの距離
  • 視認性の高さ…その施設がどれくらい世の中に知られているか

クリニックにとって効くのは、距離だと思っています。体調が悪い方が「内科 ○○駅」と調べたとき、遠い医院は候補に入りません。逆に言えば、診療圏の中では大手も含めて条件が近くなるということでもあります。

範囲を広げるほど、順位は下がります

先ほどの表をもう一度見てください。同じ「SEO コンサルティング」という語なのに、太白区で1位、仙台市で2位、宮城県まで広げると4位です。

同じ『SEO コンサルティング』でも、太白区で1位、仙台市で2位、宮城県で4位と、範囲を広げるほど順位が下がることを示した同心円の図

これは当社が特別なのではなく、距離が効いているということだと考えています。「宮城県で上位を取りたい」より「まず自分の区で3位以内に入る」ほうが、現実的で、しかも来てほしい患者さんに近いのではないかと思っています。

3位以内に入らないと、まず見られません

検索結果に最初に出るマップの枠は3件です。それより下は「さらに表示」を押した人しか見ません。

つまり4位は、順位としては悪くなくても、実際にはほとんど届いていないと考えたほうがいいと思っています。当社にとっては、宮城県で4位であることより、太白区で1位であることのほうが意味があります。

クリニックに置き換えると、「県内で」ではなく「駅名・町名で3位以内」を狙うという設計になります。

当社が実際にやっている5つの作業

口コミを増やす働きかけをしない代わりに、やっているのはこの5つです。特別なことはしていません。

① カテゴリを正しく選ぶ

メインのカテゴリを1つ、関連するものをいくつか設定します。ここが「関連性」に直結します。

クリニックの場合、標榜科によって選べるカテゴリが変わります。「内科」なのか「一般内科医」なのか「クリニック」なのか。迷ったときは、その語で実際に検索して、上位に出ている同業がどのカテゴリを使っているかを見るのが早いです。

② 名称・住所・電話番号を、他の場所と一字一句そろえる

ホームページ、各種の医療機関検索サイト、地図アプリ。あちこちに情報が載っているはずです。これらの表記が食い違っていると、Googleが同一の施設だと判断しにくくなります。

「1-2-3」と「1−2−3」、「ビル3F」と「ビル3階」。この程度の違いでも、そろえておくに越したことはありません。地味ですが、クリニックは掲載先が多いぶん、ここのずれが起きやすいと思っています。

③ 投稿を続ける

当社の場合は、ブログを1本書いたら、その内容をGoogleビジネスプロフィールにも投稿する、という形にしています。

クリニックであれば、休診のお知らせ、予防接種の受付開始、健康診断の案内など、もともと出す情報があるはずです。新しく作るのではなく、すでにある情報を置く場所を増やす、と考えるほうが続くと思います。

ただし、ここも広告規制の範囲です。「必ず治ります」「地域No.1」といった表現は使えません。お知らせの範囲にとどめるのが安全だと考えています。

④ 写真を入れる

外観、待合室、入口までの道順。初めて来る方が迷わないための写真が要ります。

注意点として、治療の前後を並べた写真は、誤認を与えるおそれのある表現として禁止されています。限定解除の要件を満たしたウェブサイトでは、治療内容・期間・費用・リスク・副作用を併記することで掲載できる場合がありますが、Googleビジネスプロフィールの写真欄でその併記をするのは現実的ではありません。ここには載せない、と決めておくほうが安全だと思います。

また、患者さんが写り込んだ写真は使えません。当たり前のことですが、スタッフの方が善意で撮った写真ほど、確認が抜けやすいところです。

⑤ インサイトを見る

管理画面で、見られた回数と、そこから何件の行動(電話・ルート検索・サイトへの遷移)があったかが分かります。

ここを見ないと、順位が上がったのか、何も変わっていないのかが分かりません。次の章で、当社の8ヶ月分をそのまま出します。

閲覧は増えたのに、行動は減りました|8ヶ月の実測

ここからは、当社にとって都合のよくない数字も含めて出します。

Googleビジネスプロフィールの8ヶ月の実測。プロフィールを見た人は79から128へ増えたが、行動した割合は69.6%から34.4%へ下がった

見られる回数は、8ヶ月で6割増えました

11月の79から、6月の128へ。約6割の増加です。途中、2月に31まで落ちていますが、そこからは一貫して増えています。

この間にやったことは、先ほどの5つだけです。口コミを増やす働きかけはしていません。

ところが、行動してくれた割合は半分になりました

見られた回数のうち、電話・ルート検索・サイトへの遷移につながった割合です。

69.6%から34.4%へ。ちょうど半分くらいに落ちています。

なお、1人が複数回行動することがあるため、割合が100%を超える月もあります。率そのものの水準ではなく、動きの向きを見ていただければと思います。

ここから言えること

当社は、業種別の語や補助金に関する語まで含めると、11位以内に入っている語が約70あります。語が増えるほど、当社を探していたわけではない人の目にも触れます。

つまり、見られる回数が増えたぶん、「たまたま見ただけの人」も増えたということだと考えています。分母が変われば、率は下がります。

ただ、もうひとつ考えられることがあります。この期間は、当社が投稿を怠っていた時期と重なっています。これが効いている可能性も否定できません。正直に申し上げて、どちらがどれだけ効いたのかは分かりません。

クリニックに置き換えると、こういうことだと思います。「地域名+内科」で上位を取ると、閲覧は増えます。ただし、そのうち何割が実際に来院しうる方なのかは、別の話です。閲覧数だけを見て「効果が出た」と判断すると、読み違えます。

見るべきは、閲覧数ではなく、電話とルート検索の実数だと考えています。

この8ヶ月分の数字は、仙台のGoogleビジネスプロフィール運用代行の記事に月別で並べてあります。

口コミ欄で、やってよいこと・避けたいこと

返信は書けます。ただし書き方に注意が要ります

口コミへの返信そのものを禁じる規定は見当たりません。ただ、返信は医療機関が自ら書くものなので、その内容は医療機関の表示になります。

たとえば「〇〇の症状も、当院なら改善します」と返信すれば、それは治療の効果に関する表示です。「ご来院ありがとうございました」のようなお礼にとどめるほうが安全だと考えています。

依頼と謝礼は、しない

前述のとおり、有償・無償を問わず、投稿を依頼した時点で誘引性が生じます。謝礼の有無は関係ありません。

院内の掲示、会計時の声かけ、QRコード付きのカード。これらは「依頼」に当たると読むのが自然だと思います。飲食店や美容室で普通にやっていることが、そのままは使えません。

否定的な口コミへの反論は、逆効果だと思っています

これは規制の話ではなく、見え方の話です。

強い口調で反論すると、その返信を読むのは、書いた本人ではなく、これから受診を検討している人です。反論の内容が正しくても、読んだ人には「そういう対応をする医院」と映ります。

あわせて、返信で患者さんの受診内容に触れることは避けてください。本人が書いた口コミであっても、医療機関の側から診療の内容に言及すれば、守秘の問題になり得ます。

ただし、MEOだけでは決まりません

診療圏に検索の需要があるかが先です

当たり前に聞こえますが、実務ではここが抜けます。

「地域名+診療科」で1位を取っても、その地域でその語を月に数回しか検索していないなら、届く人はほとんどいません。都市部では起きにくい問題ですが、地方では、語によって母数がゼロに近いことが普通にあります。

この確かめ方は、WEB集客は何から始めるべきかの記事に、数千円でできる手順を書きました。

マップの次に見られるのは、結局ホームページです

マップで見つけた方が次にすることは、たいてい2つです。電話をかけるか、ホームページを見に行くか

ここで、診療時間が古いまま、スマートフォンで表示が崩れる、初診の流れが書いていない——そういう状態だと、マップで上位を取った労力が、最後の一歩で消えます。

順番としては、MEOとホームページは同時に見るものだと考えています。ホームページ制作MEO対策を分けて考えると、この抜けが起きやすくなります。

それでも、口コミがゼロでよいという話ではありません

誤解のないように書いておきます。「口コミは要らない」と申し上げているのではありません。

患者さんが自発的に書いた口コミは、規制の対象外です。そして、実際に読まれています。申し上げているのは、「集めにいく」という手段が、クリニックでは取りにくいということです。

だから、口コミの数を競う土俵から降りて、それ以外を整えるほうが現実的だと考えています。

なぜ制作会社ではなく、中小企業診断士が書いているのか

ここまで読んでいただいた方に、書いている人間のことも書いておきます。

経営コンサルタントに関する、唯一の国家資格です

中小企業診断士は、中小企業支援法にもとづく国家資格で、経済産業大臣に登録します。経営コンサルタントに関する国家資格は、これだけです。

1次試験(7科目)と2次試験に合格し、実務従事15日以上を経て登録します。1次・2次とも合格率は2割前後で、1回で通る割合は4〜7%程度と言われています。

MBAとの違いは「学位」か「資格」かです

混同されやすいので、整理しておきます。

中小企業診断士MBA(経営学修士)
位置づけ中小企業支援法にもとづく国家資格学校教育法にもとづく学位
履歴書資格の欄学歴の欄
取り方国家試験に合格し、実務従事を経て登録大学院で修了に必要な単位を取る
更新5年ごとにありなし

どちらが上ということではありません。MBAは学んだ内容の証明で、診断士は国が定めた基準を満たしている証明、という違いだと考えています。

5年ごとに更新があります

登録は5年で切れます。続けるには、理論政策更新研修を5年間で5回受け、あわせて実務従事を30日以上行う必要があります。どちらか一方では足りません。

先生方の専門医更新と、考え方は同じだと思っています。取って終わりではなく、現場に出ていることと、学び直していることの両方が求められるという設計です。

診療は先生の領域です。ただ、集患の設計や、投じた費用が何に変わったのかを見る作業は、経営の領域だと考えています。当社がお手伝いできるのは、そちらです。

よくあるご質問

Q. 口コミが少ないと、順位は上がらないのでしょうか

A. 当社の実測では、口コミを増やす働きかけをせずに太白区1位を維持できています。ただし、これは当社1社の、しかも医療機関ではない事例です。同じことをして同じ結果になるとは限りません。

Q. 患者さんに「口コミをお願いします」と言うのは、本当に駄目なのでしょうか

A. 厚生労働省のQ&Aには「有償・無償を問わず」依頼した場合に誘引性が生じる、と書かれています。個別の言い方が該当するかどうかの判断は、所管の保健所・都道府県にご確認ください。

Q. どのくらいで順位は動きますか

A. 当社の場合、はっきり動いたと感じたのは数ヶ月かかってからです。広告のようにその日から出るものではありません。一方で、止めたその日に消えるものでもありません。当社は最近、投稿を怠っていますが、順位はまだ残っています。

Q. 自分でやるか、頼むか、どちらがよいですか

A. 5つの作業のうち、①②④は一度整えれば大きくは変わりません。続けるのが大変なのは③の投稿と⑤のインサイト確認です。ここが回らないなら外に出す、回るなら自院で十分だと思っています。

まずはご相談ください

当社では、Googleビジネスプロフィールの運用を月額30,000円〜でお受けしています(2026年8月時点)。

ただ、いきなり契約していただく必要はありません。毎月先着3社限定で、無料の診断を行っています。いまのカテゴリ設定と、地域名で実際に何位に出ているかをお調べして、お伝えします。

「口コミをお願いしてしまっていたが、大丈夫か」といったご相談でも構いません。無料相談はこちらからどうぞ。

Writer

著者情報

株式会社CONVY

代表取締役

草彅 達史

TATSUFUMI KUSANAGI

外資系スーパーマーケット、大手学習塾の教室責任者・エリアマネージャー・経営企画部(財務・広報の責任者)を経て(株)CONVYを設立。
主にマーケティング戦略の立案とWEBマーケティングの実行支援、財務分析と改善策の立案で中小企業の売上拡大を支援しています。
中小企業の倒産理由の7割を「販売不振」が占めています。そんな厳しい経営環境の中、「中小企業が夢を諦めず、夢を叶えるための支援をしたい」——。その想いから、CONVYは立ち上がりました。中小企業診断士として、現場に寄り添い、確かな実行力で、売上アップと経営改善をともに目指してまいります。

経営コンサルティングの国内唯一の国家資格:
中小企業診断士の資格を保有